1級土木施工管理技士初めて受けるけど申込書類が多いし、受検できるのかもよく分からない…。
そもそも取るべき資格なの?
たしかに書類が何枚もあるし書く事項多いし、大変ですよね。
私も過去に受けたことがあるので分かります。
1級土木施工管理技士は、収入アップや転職など将来にとても有利に働く資格のひとつです。
その分少し難易度も上がりますが、取得するだけの価値は非常に高い資格といえます!
この記事で分かること
- 1級土木施工管理技士全般について分かる
- 申込みをするうえで事前に準備しておいたほうが良い書類が分かる
- 1級土木施工管理技士を取得すべき理由が分かる
はじめまして、出合美羽と申します!
前職では、土木関係の仕事に13年間勤めていました。
そして令和3年度に「1級土木施工管理技士」を取得しています。
その証がこちら▼
また平成30年度に「2級土木施工管理技士」も取得しています。▼
この記事では、1級土木施工管理技士に関する概要から実際の手続き、勉強時間など網羅的に解説しています。
また
「1級土木施工管理技士を取ったところで何かメリットはあるの?」といった疑問の声にもお答えします。
1級土木施工管理技士の概要や面倒な申し込みについて分かるようになりますので、ぜひ最後までお読みください。
詳しい勉強法を知りたい方はこちらをタップ▼
1級土木施工管理技士とは?
建設業法で定められた国家資格のひとつで、土木工事の施工管理を行うために必要な資格です。
土木工事の主な種類でいえば、
など私たちの生活に欠かせないインフラ設備が該当します。
こういった土木構造物を新設もしくは修繕する工事には「作業に従事する者」と「工事全体の進捗や品質、安全面を管理する者」がいます。
1級土木施工管理技士は主に後者に該当する人たちに必要な資格です。
【土木施工管理技士】1級と2級の違い
土木施工管理技士には1級と2級があり、名前の通り1級の方が格上になります。
その違いについて「従事者としての違い」と「受検する場合の違い」の2つの視点で解説します。
従事者としての違い【結論!管理できる工事規模が変わる】
まず従事者として違う面をお話ししますと結論、1級は請け負える工事金額が高くなるので、管理できる工事規模が大きくなるといった点です。
国交省による監理技術者と主任技術者の違いについて説明があります。
以上のように定義されています。
1級は監理技術者、主任技術者どちらにもなれる一方で、2級は主任技術者のみとなります。
つまり、請負金額が4000万以上の工事は監理技術者の配置が必要であり、監理技術者になれるのは1級土木施工管理技士を所有している者でなければいけない。
となっているので、必然的に規模感の大きい工事を担えるというわけです。
受検の違い【結論!1級のほうが問題数が多く採点が厳しくなる】
1級だと問題も各段に難しくなりますか?
これはあくまでも私の感覚ですが、
1次検定の問題自体の難易度は、1級も2級もそこまで差は無いかなと感じました。
そのため、2級土木施工管理技士を受けたことがある人は、有利に働くかなと思います。
ただ、難しいというより、1級は明らかに問題数が多くなるので、単純に勉強量を増やさないと追いつかないなって感じでした。
2次検定については、2級は易しめに採点しているのではないかと思います。
特に経験記述は、1級ほどの精度は求められていないのではと思います。
これも感覚の話になってしまいますが…。申し訳ありません。
「知るところは採点者のみぞ知る」なので、参考程度に捉えていただけたらと思います。
また、1級と2級の違いとしては、以下の比較表をご参照ください。
1級 | 2級(1次・2次両方受けた場合) | |
---|---|---|
問題数(第1次検定) | 全65問解答 | 全40問解答 |
第1次検定試験日 | 7月第1日曜日 | 10月下旬の日曜日 |
第2次検定試験日 | 10月第1日曜日 | 同上 |
問題数は1級のほうが多いので、1次と2次で別日に分けています。
2級も持っていない私でもいきなり1級を受けることはできますか?
結論、条件によっては受検可能です。
「学歴」や「土木工事の実務年数」がクリアしていれば、飛び級で1級を受けることはできます。
受検可能か不安な場合は、先輩や上司に確認してみると良いでしょう。
それでも分からない場合は、公式サイトに問い合わせてみるのが確実です。
リンクを張っておきますので、詳しくはホームページで確認してみてください。
1級土木施工管理技士の概要
まずは1級土木施工管理技士を受検するにあたって概要をまとめました。
この記事では、「1次試験と2次試験」両方受ける方にむけて解説しています。
■概要
申込用紙の販売 | 2月中旬~3月中旬頃 |
販売価格 | 1部600円 |
取り寄せ方法 | 郵送・対面 |
申し込み受付期間 | 3月中旬頃~3月末頃 |
受験手数料 | 第1次検定・第2次検定ともに各10,500円 |
試験日 | 第1次検定:7月第1日曜日/第2次検定:10月第1日曜日 |
申込用紙販売先URL | 全国建設研修センター ⇒ https://www.jctc.jp/exam/doboku-1/ |
受検資格 | 受検資格は学歴や経験年数など細分化されているので、詳しくは公式HPで確認 |
公式HP | 全国建設研修センター ⇒ https://www.jctc.jp/exam/doboku-1/ |
また、1級土木施工管理技士を受ける上で知っておくべき事項についても解説します。
以上、詳しく解説していきますね。
事前に用意しておくべき書類と手続きが必要な書類
申込書類を提出するためには、記入するだけでなく、事前に用意しておくべき書類や手続きが必要な書類があります。
期日がかかる書類もあるため、事前に用意しておくと安心です。
具体的には、以下の書類が必要です。
それぞれの項目をタップするとジャンプしますので、ピンポイントに手続きの分からない項目があればタップしてみましょう。
1級土木施工管理技士を受験するためにかかった費用は、会社で負担してくれる場合があるので事前に確認してみると良いですよ。
証明写真
書類に貼る証明写真が必要です。
近くにある証明写真機などで撮りにいきましょう。
証明写真機は、スーパーや商業施設などに設置されているので、時間があるときに撮りにいきましょう。
またコンビニの外などに機械が設置している場合もあります。その場合は24時間いつでも撮影可能です。
- 発行場所:商業施設など多数の店舗に設置
- 営業日・時間:場所による(外に設置してあれば24時間使用可能)
- 大きさ:縦3.5cm×横4.5cmのパスポート用
- 必要枚数:1枚
- 所要日数:1日(10分程度)
- 費用:700円~1,000円程度
住民票
受検者の「氏名」「生年月日」が確認できる住民票が必要です。
発行年月日は不問ですが、コピーは不可です。
役所や役場で発行する場合は、平日のみの日中帯となるため、時間を調整して訪問し、発行してもらいましょう。
- 発行場所:主に役所・役場
- 営業日・時間:平日、約9:00~17:00
- 必要枚数:1枚
- 所要日数:1日(15分程度)
- 費用:300円/通程度(各自治体によるので確認すること)
受講料の支払い
受講料の支払いは届いた申込用紙類の中に同封されています。
郵便局の窓口で支払いましょう。
支払った後に郵便局で押印した「支払い証明書」を渡されます。
のちほど申込用紙に添付するので、失くさないでおきましょう。
- 支払場所:郵便局
- 営業日・時間:基本平日、約9:00~16:00
- 所要日数:1日(10分程度)
- 費用:10,500円/人(ここでは1次試験の支払いのみ)
実務経験証明書
申込用紙の封筒の中に「A-3票:1級技術検定実務経験証明書」が同封されているので、会社の上司と相談しながら実務経験を記入しましょう。
卒業証明書及び成績証明書(必要によって)
学歴や経験年数によっては、卒業証明書及び成績証明書が必要になってくるので確認しましょう。
Google検索で「〇〇学校(卒業された学校) 卒業証明書」と検索すると、卒業証明書などが発行できる手続き方法が分かる公式サイトが出ています。
発行してもらうためには申込書が必要なので、印刷・記入して郵送するか直接学校へ持っていきましょう。
家にコピー機がないんですけど・・・
その場合は、スマホやUSBに申込書のデータを入れてコピー機のあるコンビニで印刷しましょう。
それでも分からない場合は、直接学校へ行っちゃいましょう!学校の窓口にも申込書はあります。
ただ、事前に記入していない分、時間がかかるので注意です。
「卒業証書」は不可なので、必ず学校で発行してもらいましょう。
- 発行場所::高等学校、大学、専門学校など
- 営業日・時間:時間:学校による(HPか電話で問い合わせて確認)
- 必要枚数:各1枚
- 所要日数:学校によるが2日~10日程度
- 費用:学校によるが約200~500円/通
第1次検定の試験概要
令和5年3月現在
■試験日:第1次検定:7月第1日曜日
■試験時間
入室時間 | 9時45分まで |
受検に関する説明 | 9時45分~10時00分 |
試験時間(第1次検定午前) | 10時00分~12時30分 |
昼休み | 12時30分~13時35分 |
受検に関する説明 | 13時35分~13時45分 |
試験時間(第2次検定午後) | 13時45分~15時45分 |
■試験地:札幌・釧路・青森・仙台・東京・新潟・名古屋・大阪・岡山・広島・高松・福岡・那覇
■試験内容
検定科目 | 検定基準 |
---|---|
土木工学等 | 1.土木一式工事の施工の管理を適確に行うために必要な土木工学、電 気工学、電気通信工学、機械工学及び建築学に関する一般的な知識を 有すること。 2.土木一式工事の施工の管理を適確に行うために必要な設計図書に関 する一般的な知識を有すること。 |
施工管理法 | 1.監理技術者補佐として、土木一式工事の施工の管理を適確に行うた めに必要な施工計画の作成方法及び工程管理、品質管理、安全管理等 工事の施工の管理方法に関する知識を有すること。 2.監理技術者補佐として、土木一式工事の施工の管理を適確に行うた めに必要な応用能力を有すること。 |
法規 | 建設工事の施工の管理を適確に行うために必要な法令に関する一般的 な知識を有すること。 |
第2次検定の試験概要
令和5年3月現在
■試験日:第2次検定:10月第1日曜日
■試験時間
入室時間 | 13時00分まで |
受検に関する説明 | 13時00分~13時15分 |
試験時間(第1次検定午前) | 13時15分~16時00分 |
■試験地:札幌・釧路・青森・仙台・東京・新潟・名古屋・大阪・岡山・広島・高松・福岡・那覇
■試験内容
検定科目 | 検定基準 |
---|---|
施工管理法 | 1.監理技術者として、土木一式工事の施工の管理を適確に行うために 必要な知識を有すること。 2.監理技術者として、土質試験及び土木材料の強度等の試験を正確に行 うことができ、かつ、その試験の結果に基づいて工事の目的物に所要の 強度を得る等のために必要な措置を行うことができる応用能力を有する こと。 3.監理技術者として、設計図書に基づいて工事現場における施工計画を 適切に作成すること、又は施工計画を実施することができる応用能力を 有すること。 |
1級土木施工管理技士の合格基準と合格率
1級土木施工管理技士の合格基準について、1次試験および2次試験に分けて解説しています。
1次試験の合格基準と合格率
■合格基準
ちょっと複雑なので、画像で解説しますね。
▼ 四肢択一のマークシート方式(鉛筆で番号を塗りつぶして答える)
1~3の選択問題では、たとえば「1.」だと全部で15問出題されており、その中か12問まで問題を解答します。それ以上答えると誤答となってしまうので注意!
合格基準:公式によると、1次試験全体の得点が60%以上かつ検定科目(施工管理法(応用能力))の得点が60%以上
- 1~5合わせて全65問あるので、合格基準が60%以上だと39問以上正解しないといけない
- 「5.施工管理法」だけで、60%以上、つまり9問以上正解しなければいけない
まとめますと、
合格の条件
- 全体で39問以上正解
- 「5.施工管理法」のみで9問以上正解
上記2つを満たしてはじめて第1次検定は合格となります。
■合格率
2018年~2022年度までの5年間の1次試験の平均合格率は「57.3%」です。2人に1人は受かる割合です。
決して低い数字ではないので、しっかり過去問対策すれば受かるレベルではないかと。
2次試験の合格基準と合格率
1次試験が終わった後に8月上旬頃に「通知書」が届きます。
合格の場合は同封の手続きにしたがって2次試験の申し込みを行いましょう。
そして2次試験の出題方式です。▼
注意
- 「1.」の経験記述に関しては、必ず解答すること。無記載の場合は、問題2以降採点されないため注意
- 選択問題で問題数以上の解答をした場合は、減点となるため注意
2次試験の場合は、全て記述式なので、漢字間違いなどにも注意しましょう。
■合格率
2018年~2022年度までの5年間の2次試験の平均合格率は「35.3%」です。
1次試験の「57.3%」に比べたら一気に合格率が下がりましたね。
なぜ2次試験がここまで低くなるのかといいますと、
- 自身が経験した工事の経験記述(作文)を暗記するのが大変で、難易度を底上げしているから
- 1次試験のような択一式ではなく、解答が複数ある場合が多いから
- 自分の頭で考えたことを記述しなければいけないから
- 誤字脱字が考えられるから
記述式はなんとなくの覚え方だと、いざ書けと言われたときに「あれ?どうだったっけ?」となります。
漢字もそうですね。
加えて採点者のさじ加減みたいなところもありますし、答え合わせが非常に難しいです。
1次試験で覚えたことも生かしつつ、単語の意味などもしっかり覚えましょう。
1級土木施工管理技士取得までの勉強時間【約300時間!】
筆者が1級土木施工管理技士取得のために費やした勉強時間は、おおよそ301時間です。
その内訳を紹介します。
■1ヶ月の勉強時間
・平日(月~金) 22日と設定:30分
0.5時間×22日=11時間
・土日:8日と設定:4時間
4時間×8日=32時間
合わせて、11時間+32時間=43時間
■1次試験の勉強時間
4月~7月の4ヵ月勉強
43時間×4ヵ月=172時間
■2次試験の勉強時間
8月~10月の4ヵ月勉強
43時間×3ヵ月=129時間
■1次試験と2次試験合わせた勉強時間
172時間+129時間=301時間
ざっくりとですが、平日は仕事終わりに30分ほど勉強して、休日は過去問を2年分(2時間/年)行うとこのぐらいかなと。
そのほか休憩時間などスマホをいじれるときは、過去問アプリをダウンロードして勉強していました。
手軽に開いて勉強できるし、途中で中断しやすいので、スマホアプリはおすすめです。
もちろん平日や休日にもっと時間を充てても問題ないです。当たり前ですが多ければ多いほど良いので。
ただ今回は、あくまでも私が費やした勉強時間です。
現場での経験が長い方や2級土木を受けたことがある方はもっと少なくてもいいかもしれません。
一方で、もっと勉強が必要な方もいるとは思います。
そのため参考程度に捉えておいてください。
そんなに勉強するの!?自分には無理だ…諦めよう…
そう思われた方は、試験対策講座のサポートを受けてみてはいかがでしょうか。
\記述文の添削や作成についてサポート!/
ここをタップ!
お金がかかるとはいえ、何回も試験に落ちてそのたびに受検料を支払って手続きするよりかはマシです。
何度も落ちると「また今年も勉強しなきゃいけないのか~。」ってなるので、ぶっちゃけ精神的にもきついです…
試験講座対策サポートを受けたとしても1回で受かれば、何度も受ける手間も省けるので十分投資回収が可能です。
1級土木施工管理技士取得のメリット
資格取得は基本的にはメリットしかありません。
では1級土木施工管理技士のメリットは何か以下の3つが挙げられます。
ではなぜメリットとなるのか詳しく解説します。
重責を一任できる社員へとレベルアップできる
1級土木施工管理技士を持っていれば、下請負金額の上限がないので、大規模工事や工事金額の高い工事を任せられます。
大規模工事を担当すると周りの目も一目置かれる存在になることは間違いないでしょう。
1級土木施工管理技士を持っていれば、一つ上の社員へと成長できるといえます。
1級土木施工管理技士を持っていれば会社でも手放したくない存在になります!
収入アップが見込める
1級土木施工管理技士があれば、収入アップが見込めます。
1級土木施工管理技士は需要が高い資格なので、給料アップが望めます。
また会社によっては、資格手当があてられる会社もあります。
今後収入を上げたいと考えるのであれば、1級土木施工管理技士を取得すると良いでしょう。
転職がしやすくなる
今後転職する場合でも、1級土木施工管理技士があれば有利に働きます。
1級土木施工管理技士は需要が高い資格のひとつといえるからです。
特に建設業など同職種であれば「1級土木施工管理技士を所持している」というだけで引く手あまたになります。
また営業など異職種への転職だったとしても、資格の難易度はそこまで低くないので、企業に評価されることがあります。
一度取ってしまえば、一生ものなので持っていて損はないといえます。
転職に困らないという点も踏まえると、1級土木施工管理技士はメリットといえる資格です。
まとめ:1級土木施工管理技士を取得して豊かな人生を
記事をまとめますと、
- 申し込みや試験についての概要
- 合格基準や合格率
- メリット
以上を解説しました。
1級土木施工管理技士は決して簡単な資格ではありませんが、計画を立てて勉強すれば恐くはありません。
また今回の記事を見て挑戦してみよう!と思った方は、詳しい勉強法について解説した記事もありますので、ぜひリンクから飛んでみてください。▼
受検するためにかかった費用は、会社で負担してくれる場合もありますから、無理だと思わず、まずは挑戦してみることが大事です。
人生において勉強は“一瞬”ですが、資格は“一生もの”です。
あなたが起こしたその一行動が収入アップにつながる一歩となるので、ぜひ1級土木施工管理技士に挑戦してみましょう!